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16.アトピー性皮膚炎
【概念】日常遭遇する皮膚疾患の中では一番多い疾患とされています。アトピー素因というのは先天的・遺伝的な過敏性素因と解説されてますが、1966年に石坂がIgE抗体を発見して以来、IgE抗体を産生し易い素因と理解されています。同じIgE抗体で起こる鼻アレルギーや喘息とは同類のアレルギー疾患に属しています。 接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、光線過敏症なども時々耳にする疾患です。専門的には別の疾患とされていますが、典型的でない場合は同じような症状、重なった原因もありますので、議論の尽きないところです。
【症状・検査】掻痒感の強い皮疹が出ます。乳児期は顔面に多く、年長児では、脇や股、関節の屈側面に多く出てきます。成人では手足に出ることが多いようです。 症状の増減と日常生活との関係をよく観察しますと、ある程度因果関係が分かってくる場合があります。 原因の見当がつけば、パッチテストや血液中の抗体価測定を行って確認します。卵、牛乳、大豆のように特定の食品が原因のこともあり、花粉やハウスダストのこともあり、犬猫の毛、羊毛などが原因となることもあります。 小児では親の養育法に問題がある場合もあり、その場合は心理学的検査が必要になります。
【治療・予防】アレルギーの治療・予防はその抗原を同定し、それを遠ざければ良いわけですが、実際には理屈通りに行かないことも多いようです。まず検査の結果、明らかに原因となる食品、洗剤、化粧品、衣類、農薬などが見つかれば、それを避けるべきでしょう。 抗原ではなくても、肌着は化学線維よりも刺激が少ない木綿のものが勧められます。食品は厳格になり過ぎないように、むしろ偏食を避け、野菜を多く採り、健胃・整腸に心がけます。 皮膚科の先生は、皮膚炎の状態に応じて、軟膏、クリーム、ローションなどを処方されますから、それを忠実に塗ってください。内服薬も痒み止めとして軽い薬剤をくださるはずです。乳幼児では手袋を履かせ、爪で引っ掻いて刺激しないようにします。 接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、光線過敏も、その治療方針は共通しています。
【アレルギーマーチ】乳幼児期にアトピー性皮膚炎で悩まされた子供が、皮膚炎が軽快するにつれて小児喘息で苦しみ、成人して喘息が治ったと思ったら、鼻アレルギーが出てくると言うことがよくあります。これをアレルギーマーチと言っています。 結局、一生アレルギーとお付き合いするわけですから、不必要に厳格な食生活をしたり、強い薬を長期に飲み続けることは、賢明な策ではありません。
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