18.腰痛

【概念】四十腰、五十肩という言葉があります。40歳になると腰痛を、50歳になると肩こりを訴える人が多いということです。 ぎっくり腰は重い荷物を持った拍子に電気が走ったような激痛と共に身動きもできなくなります。ぎっくり腰の原因は一般には椎間板ヘルニアと言われていますが、MRI検査などでも異常が認められないことが多く、その場合は椎間板周囲の線維輪か筋膜の小さな断裂と考えられます。 徐々に腰痛が出てきた場合は、椎間関節症、脊椎分離症、変形性脊椎すべり症、脊椎圧迫骨折などと診断されることがあり、脊椎に異常がない場合は筋肉疲労と考えます。

【症状・検査】急激な痛みと慢性的な痛みがあります。慢性的な痛みの時は、どのような時期か、どのような姿勢か、腰以外の痛み、しびれはないか、などについてよく注意し、診察に際しても詳しく説明する必要があります。通常のレントゲン写真で2方向から撮影します。問題がありそうな時にはCT像、MRI検査を行いますと、椎間板の状態、脊椎圧迫骨折が新鮮か、陳旧かの区別などを明らかにすることができます。高齢者では骨粗鬆症の合併を見ることが多いようです。全身検査により隠れた疾患にも注意します。

【治療・予防】ぎっくり腰の時は数日間安静に臥床せざるを得ません。その後、温熱療法を続け、コルセットを装着します。ただし、コルセットは2か月位を限度にするべきです。もし、椎間板ヘルニアが起こり、脊髄が圧迫され、下肢の神経麻痺や膀胱・直腸障害を伴う場合は緊急手術を要します。 慢性的腰痛で検査の結果、何らかの脊椎変形が発見されても、日常生活によほど障害がないかぎり、手術の必要はなく、某医で手術を勧められても、他医の意見も参考にして手術を決めてください。 保存療法には牽引療法、温熱療法、鎮痛剤などがありますが、牽引療法は無意味、鎮痛剤も飲み忘れた方が良いくらいです。

【自己管理】大切なのは自己管理です。重い物を持つ時は、腰痛バンドをし、体に近く抱え込み、膝を使って立ち上がります。中腰での作業を避け、立位、坐位でも長時間同じ姿勢でいるのはよくありません。前かがみの姿勢も腹部を前に突す姿勢も悪いのです。台所の流しの高さに注意してください。 腰背筋、腹筋の強化訓練を行い、腰部の柔軟性維持に努めます。腰痛体操も簡単なものから複雑なものまでありますが、継続することが大切です。朝起床時に臥たままで、足を空中で十分間屈伸するだけでも立派な腰痛体操になります。水泳は腰椎に体重をかけずに、筋力強化ができますもで、勧められます。女性は変形性脊椎すべり症のための腰痛が多いのですが、それも筋力が弱いことが原因になります。