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20.脳外科的疾患
【概念】最近は、医療技術が進歩したため、比較的安易に開頭手術を行うようになりました。私たちの身辺でも、脳動脈瘤や脳腫瘍の手術を受け、命拾いしたという方が多くなりました。なぜ確実な診断、安全な手術が可能になったかを詳しく説明する紙面の余裕はありませんが、画像診断の進歩、顕微鏡手術の普及、手術機器の開発、麻酔学の確立、などを挙げることができます。 交通事故による頭部外傷をの際に、よく起こるのが硬膜外出血です。脳を包んでいる硬膜と頭蓋骨の間に血が溜まり、だんだん大きくなって脳を圧迫するものです。 脳血管障害は現在も死亡原因として癌に続いて多い疾患です。しかし、脳出血の時、時宜を得た開頭手術によって助かったという例も多いようです。 脳腫瘍は人口10万人あたり年間約10例と言われていますので、香川県内では、毎年100例の患者が出ていることになります。
【診断】突然の意識障害、痙攣などは別として、限局した脳の症状は将に千差万別です。すなわち起こった障害部位によって症状は変わりますから、その診断学はかなり難しい分野になります。 でも、素人であっても気を付けていただきたい症状を列記しておきます。頑固な頭痛、突然の嘔吐、舌がもつれ話がしにくい、物が二重に見える、視野欠損、めまい、難聴、顔面や手足のしびれ(動かしにくいしびれと感覚のしびれがある)、などです。 神経内科、脳外科の先生が、診察をされ、CT像とMRIを取り、脳の病変を診断されます。MRA(血管造影MRI)は無侵襲で脳血管を撮影できます。手術を前提にする時は本格的な脳血管撮影法により検査します。 症状が視力に関連していれば眼科受診、めまい・難聴などであれば耳鼻咽喉科受診をいたします。
【脳出血の治療】硬膜外出血の場合ですと、頭蓋骨に小さい穴を開けて、血を吸い取るだけで良いのです。出血部位が脳の表面に近ければ開頭して止血することが可能です。 脳動脈瘤が発見されれば、開頭し、その基部をクリップいたします。
【脳腫瘍の治療】脳腫瘍は良性腫瘍であれば、手術によって根治させることができますが、高齢者や危険な部位の場合は、手術せずに様子を見ることもあります。一般に良性腫瘍は成長が遅く、手術を行わずに寿命を全うされる方もおられます。 悪性腫瘍であれば、手術の容易な場所に発生した比較的小さい物は、手術と放射線治療によって根治する可能性があり、少なくともQOLの改善と延命が期待できます。 結局、信頼できる脳外科医の勧めに従うのが最善ということになります。
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