24.腎炎

【概念】今回は肝腎なもののうちの腎臓について解説します。腎臓は血液中の老廃物を濾過して尿を作っています。腎臓の機能が悪くなれば、老廃物が血液中に溜まってきますので、尿毒症を起こし、生命維持ができなくなります。 腎臓の病気を主なものだけあげますと、急性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎、ネフィローゼ症候群、腎不全、腎盂腎炎、腎硬化症、糖尿病性腎症、腎結石、腎腫瘍、などです。

【診断】腎炎の場合は、浮腫、血尿、高血圧が特徴的な症状です。ネフローゼの場合は、蛋白尿、低蛋白血症、高脂血症を特徴とします。腎不全というのは尿が産生され難い状態(乏尿)を言います。 会社の健康診断では必ず検尿が行われます。試験紙を浸けるだけで、尿中の赤血球、蛋白、糖の有無が分かります。もしプラスに出れば、その定量をし、また沈渣を顕微鏡検査し、白血球や腫瘍細胞の種類を精査いたします。 腎臓が悪い場合、その原因を追及しなければなりません。扁桃炎に起因する病巣感染の有無、高血圧、糖尿病、膠原病、痛風、など原因となる疾患の検査をいたします。

【治療】急性腎炎の時は、安静、保温、食事療法によって腎臓を庇護することが肝要です。食事療法は低食塩、高カロリー、低蛋白食、低カリウム食、水分制限を組み合わせます。 慢性腎炎の時は、過労をさけ、睡眠を十分とり、適切な食餌療法で維持します。 ネフローゼの時は、高蛋白食を摂るようにし、ステロイド剤の内服が必要になることもあります。 腎不全は原因疾患を治療しなければなりません。食事療法は急性腎炎に準じます。 【血液透析】問題はどの時点から血液透析を開始するかです。腎の予備力が10%以下になれば、時期を失することなく血液透析(人工透析)を始めるべきです。適切な血液透析によって20年、30年と日常生活を続けることができた事例が沢山あります。

【腎移植】血液透析は毎週2〜3回行わなければなりません。その拘束状態から開放される唯一の策は腎移植です。 腎移植は臓器移植としては最も長い歴史があり、それだけに方法も確立しています。方法に生体腎移植と屍体腎移植があり、1年生着率は血縁生体腎なら75%以上、屍体腎では50%が限界のようです。 腎移植に際しては、予め血液型を合わせ、組織適合性も合わせた方が成績が良いことは分かっていますが、それを完全に合わすのは難しいことです。 腎移植センターのコンピュータによって患者の必要性と適合性を照合して適応を決定しています。 組織適合性は完全に合わなくても、長期に免疫抑制剤を投与して、移植が成功するようになりました。