25.貧血

【概念】成人の血管内を流れる血液は約3リットルと言われています。血液には赤血球、白血球、血小板とそれぞれ働きの異なる成分が含まれています。それらの固形成分を除いた血漿にも蛋白質、糖、電解質など重要な要素が含まれています。 怪我による大量出血、胃腸粘膜の潰瘍、腎炎による出血、異常月経などがありますと、貧血となります。特別に病名のつく貧血には、鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血、紫斑病、血友病、白血病など沢山あります。中には放置しますと、生命を脅かす重篤な状態に進行することもあります。

【症状・検査】顔色が悪い、立ち暗みがする、疲れ易い、微熱が続く、などが自分で気付く症状です。 血液検査をいたしますと、貧血の程度、原因が分かります。全身の検査をし、隠れたところからの出血ではないか、血が固まる時間は正常か、骨髄における造血機能は正常か、などについて調べます。

【治療】貧血の原因によって治療も異なります。常時出血している場所が見つかれば、その治療が必要になります。慢性腎炎のため少量の血液が尿にでている場合がよくあります。腎炎に対する減塩療法、食事療法を行います。 鉄欠乏性貧血と分かれば、鉄剤を含む増血剤が投与されます。通常朝食前に1錠を内服しますが、胃腸障害の出る人は食後の内服に変えます。血液検査で正常値になっても2〜3か月飲み続けます。 食事に気を使うことは当然で、鉄分を多く含む食事療法が勧められます。鉄はほうれん草、海草、レバー、貝類などに多く含まれます。血を造るためには良質の蛋白質も大切ですから、乳製品、赤身の牛肉、レバーなども摂る必要があります。 骨髄で作られた赤血球は核を持たない細胞ですから、血液中では2〜3週間で潰れてしまいます。そのため常に新しい赤血球を作ってやらなければ貧血になってしまうのです。 外傷や手術による一時的出血には、原則として輸血はしません。再生不良性貧血とか悪性貧血とか言われますと、事態は深刻です。頻回の輸血に頼らざるを得ないこともあります。

【血液のがん】白血病は白血球が異常に増え、赤血球が減少して貧血になります。これは血液のがんと言われるもので、徹底的に治療をしなければなりません。幸い、最近では適切な化学療法によって完全寛解が得られる率が高くなってきました。 いづれの貧血も早期の発見が大切であることは変わりません。

【多血症】過ぎたるは及ばざる如しの喩えを地で行く病気もあります。原因が分かるものはその治療をしますが、原因不明の場合は瀉血することもあります。