27.胃癌と肺癌

【概念】胃癌と肺癌は発生する場所も症状も異なりますが、日本では一番多い癌の双璧になっています。20年前、胃癌は全癌の50%以上でしたが、だんだん減少し、逆に肺癌が際だって増加して来たため、1998年からは胃癌よりも肺癌が多くなってしまいました。

【診断】初期の癌は症状がないので、発見が難しいのですが、少しでも怪しい症状があれば、精密検査が必要です。 胃癌の症状は胸やけ、胃痛、やせる、などです。早速に胃の透視検査、胃カメラが必要となります。 肺癌の症状は血痰、咳嗽、息苦しい、などです。肺癌の検査は肺のレントゲン写真、CT像、内視鏡検査などです。最終診断はいづれも、怪しいところの病理組織検査によって行います。 最近は血液中のいろいろな腫瘍マーカーを検査しますが、癌を疑うことはできても、診断を確定することはできません。 早期発見するには定期検診しかありません。地域の保健所や会社では毎年検診の機会があるはずですから、逃さず受けるようにしてください。

【治療】根治するには手術しかありません。胃の全摘出とか、片肺の切除などいずれも大手術になりますが、手術手技や麻酔方法が発達していますので、最近では手術による死亡事故は聞いたことがありません。発見される時期が早ければ、手術も小さくてすみますし、もし極めて小さい癌であれば、内視鏡で見ながら焼き切る方法もあります。 手術の後、補完療法として化学療法を加えることもあります。 治癒率は胃癌50%、肺癌20%というところです。

【胃癌の予防】胃癌の予防には、塩辛い食事を少なくし、パン食と乳製品をお勧めいたします。最近、胃ガンが少なくなった最大の原因は朝食を洋式にされている家庭が多くなったためです。 焼き魚の皮には発癌物質が含まれていますから食べてはいけません。アルコールを飲みながら煙草を吸うと、ニコチンがアルコールに溶けて大量に呑み込まれ、胃壁を刺激するため発癌頻度が増します。

【肺癌の予防】肺癌の予防は第1に禁煙です。20年以上喫煙者は非喫煙者に比べ、約4倍肺癌の発癌リスクが高いという統計が出ています。 5月31日は世界禁煙デイになっています。各地で講演会や街頭活動が行われます。 車の廃棄ガス中に発癌物質が含まれています。廃棄ガスを吹き付けられた時は、しばらく呼吸を止めて通り過ぎてください。落ち葉の焚き火は問題ありませんが、ビニール、廃棄油、古タイヤなどを燃やした時に出る黒い煙にはダイオキシンが多量に含まれています。産業廃棄物を高温で焼却しなければならない理由です。