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28.大腸癌と痔
【概念】大腸癌のうち半数以上が直腸(肛門から30センチの範囲)に発生し、発見が遅れますと命取りになります。しかも最近では、食習慣が欧米化したため、日本人にも増加してきました。 肛門付近に発生する病変には、痔核、肛門裂、肛門周囲膿瘍、痔瘻などがあります。便秘などのため肛門付近の血管が膨張して突き出してきたり、感染が起こって瘻孔が出来たりするのです。 昔、痔瘻は結核性だと言われましたが、最近では一般の化膿菌によることが多いようです。すなわち排便後の不始末が原因です。
【診断】排便時に出血があれば、まず直腸癌を疑います。肛門周囲の痛み、膨らみ、排膿などは痔の症状ですが、症状だけでは判断できません。直腸癌が大きくなれば、便が細くなるとか、腸閉塞を起こし、激しい腹痛を来すこともあります。 恥ずかしい場所ですが、臆せず外科医に診てもらいましょう。直腸指診、直腸鏡検査、大腸の注腸造影検査などをされるでしょう。もし、癌が疑われれば、組織学的検査が行われます。
【痔の治療】痔の程度が軽ければ、保存的治療が行われます。排便後の洗浄を励行し、軟膏または座薬を使います。便秘しないように軽い下剤を内服いたしますが、それより大切なことは食事です。野菜、果物、芋、豆など繊維の多い食物を取るようにいたします。 保存的治療が思わしくない時は手術になります。手術と言っても小さな痔核は輪ゴムで結ぶだけで良く、多くは数日の入院で終わるようです。手術後は自宅で上記の保存的治療になります。最近、多くの家庭で便器をウォシュレット式にされていますが大変良いことです。痔の予防には最善の策です。
【大腸癌の治療】外見的には直腸ポリープでも内視鏡検査時に切除し、組織検査をすると、癌と診断される場合がよくあります。少し大きな癌は腸を切り取らなければなりませんが、肛門から離れた場所であれば、肛門を保存した手術ができますから、術後の排便も心配ありません。 もし肛門も一緒に切除しなければならない場合は、人工肛門(ストーマ)を腹部に作ります。ストーマの衛生処置は多少厄介ですが、その同好会ができており、互いに工夫されています。私の友人が、毎朝、大便に行く時間が節約できると負け惜しみを言っていました。
【食習慣の変化】日本人の食習慣が欧米型になり、脂肪の多い肉食を好むようになっています。それと平行するように胃癌が減少し、大腸癌が増加しています。一方、欧米では日本食ブームが起こっていると聞きます。肉食を少なくし、繊維の多い食品をとることは大腸癌の予防になるのです。 長寿県として沖縄の食習慣が有名です。
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