5.糖 尿 病

【概念】現在の成人病で一番多いのが糖尿病と言われています。しかし子供でも、若い方でも糖尿病はありますので油断はできません。一般に肥満体質の方に多く見られますが、痩せ型の人でも糖尿病はあります。糖尿病が続きますと血管が脆くなり、脳動脈出血や心筋梗塞を起こしやすくなり、網膜症、腎症、神経障害が起こりますし、時には大動脈破裂や脳症のため死亡する危険性もあります。

 【症状】疲れやすく、のどが乾きます。症状が全くなく健康診断で見つかることもあります。もし糖尿病の合併症が出れば、視力低下、手足のしびれ、片麻痺、意識混濁などが起こります。

 【検査】糖尿病は文字通り尿中に糖が出る病気です。試験紙で尿糖を検査します。尿糖が(+)の方は、空腹時の血液中の糖を測定します。もし空腹時血糖値が140以上あり、食後2時間後も200以上あれば異常です。 必要に応じて、眼科、神経内科科、外科などを受診しなければなりません。

 【治療】病状によって入院が必要な時もありますが、ここでは自宅での治療に限ります。まず糖尿病教室、啓蒙書、患者交流会に加入などにより糖尿病を勉強してください。 食事療法でカロリーを制限いたしますが、栄養素のバランスを考えた食事が大切です。毎日の調理をされる方と一緒に栄養指導を受け、「糖尿病治療のための食品交換表」を座右におき、1日の摂取カロリーを正確に守ります。80キロカロリーを1単位として計算するための一覧表ができています。重症度、男女によって異なりますが、例えば、1日に1,600キロカロリーに制限されますと、蛋白質、ビタミン、無機塩類など必要不可欠な栄養素だけで1日800キロカロリーになりますので、残りを主食で摂取します。主食の目安は御飯軽く1杯、食パン1枚、うどん1玉がそれぞれ200キロカロリーですから、1日で600キロカロリーとなり、お酒や間食は残りの200キロカロリーしか許されません。 同時に運動療法が大切です。安定期に入れば、運動を積極的に行うようにいたします。 通常、多少の内服薬を手伝わせますが、血糖値が下がらなければ、インスリンの自己注射が始まります。朝晩時間を決めて自分で血糖を測定し、自分でインスリンを注射いたします。インスリンを持続的に送る機械を埋め込む方法(人工膵臓)も研究されていますが、まだ実用段階ではないようです。

 【予防】糖尿病は遺伝的要素もありますが、生活習慣病ですから、子供の頃から間食を少なくし、肥り過ぎないように注意してください。健康な人でも、糖尿病の食事療法と運動療法を取り入れますと、糖尿病の予防になるだけでなく、もっと健康な体になり長生きができるでしょう。