6.健康とミネラル

【概念】5大栄養素という言葉を聞かれたことがあるでしょう。人間が生きて行くために欠かすことができない栄養素を分類しますと、5つのカテゴリーになります。 すなわち蛋白質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルです。ミネラルは無機物質、金属元素のことですが、そのミネラルは比較的沢山必要なものとごく少量摂取すれば良いものとがあります。 食塩(塩化ナトリューム)、カリューム、カルシューム、燐、マグネシューム、鉄、ヨード、などは前者に属します。食塩、鉄は血液の成分、カリュームは細胞液に多量に含まれ、カルシューム、燐は骨の成分、ヨードは甲状腺ホルモンの成分としてよく知られています。それぞれ後述の腎炎、貧血、骨粗鬆症、甲状腺疾患のところで触れますので、ここでの説明は割愛します。 一方、亜鉛、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、モリブデン、セレン、硫黄、珪素、弗素、錫、バナジウム、鉛、などは必要な微量元素とされています。これらの中には毒性元素もありますから、体内でどんな役に立っているのかと思われるでしょう。

【微量元素の役割】これら微量元素の役割はまだ十分に解明されていません。むしろ最近になって重要性が認識され始めたというのが本当です。 たとえば、亜鉛が欠乏しますと、味覚、嗅覚が障害されます。 銅は鉄と共に血液中のヘモグロビンを作る時に必要です。 コバルトがビタミンB12を吸収するために必要だとか、マグネシウムが筋肉の伸縮に必要だと言うことも比較的最近の知見です。 美しい髪の毛には硫黄を含むアミノ酸が大切だということが明らかになっています。

【ミネラルの摂取】これらのミネラルは食物として摂取しなければなりませんので、それぞれのミネラルを多く含んだ食品を知らなければなりません。 ここでは特に微量元素を含む食品をあげておきます。 亜鉛:貝類、特に牡蛎、チーズ、卵 銅 :貝類、特に牡蛎、レバー、えび、ごま マグネシウム:海藻、ごま、大豆、木の実 含硫アミノ酸:牛乳、卵 それに赤身の牛肉はいずれのミネラルも含んでいます。 これらは特別な食品ではなく、むしろ日常的な食品です。従って偏らずに食事をすればミネラル欠乏症になることはありません。 しかし、中心静脈栄養のように長期に点滴注射だけで栄養を保つ場合や、長期に腎透析を続けている人はミネラル欠乏症になることがありますので注意が肝要です。