9.そ こ ひ

【概念】昔から白そこひ、青そこひ、黒そこひと言われていますが、いづれも視力障害を来たし、時には失明することもある重大な眼の疾患です。 人間は視覚の動物と言われるだけあって、視力障害による行動制限は想像以上です。特に成人後の視力障害は手探りで行動しなければならず、白い杖を使えるようになるには相当年月をようします。 白そこひ、青そこひ、黒そこひを医学用語で言えば、白内障、緑内障、眼底出血又は網膜剥離となります。 白内障は水晶体が混濁してくるために起こる視力障害です。 緑内障は眼圧上昇による視力障害です。 眼底出血は高血圧、脳動脈硬化症により起こり、網膜剥離は網膜に裂孔が生じて起きるもの、滲出性病変によるもの、牽引性病変によるものなどいろいろあります。

【症状】白内障は老化と共に次第に進行することが多く、糖尿病が原因になることも多いので注意が肝要です。最初は霞か靄の中にいるような感じです。 緑内障は激しい眼痛、頭痛を伴い、時には一夜の内に失明することもあります。 眼底出血、網膜剥離も急に起こりますが、痛みはなく、視野の一部が見えなくなるという症状から始まります。飛蚊症は網膜剥離の前駆症状として特徴的なものです。

【検査】眼科的な検査の他に、血圧や血糖、血清コレステロール値など全身検査が必要です。内科受診も必要になるしょう。

【治療】白内障は生活に支障を来す位(視力0.2以下)になれば手術を考えなければなりません。 最近は度の強い凸レンズを掛けた人が少なくなりましたが、それは眼内レンズを挿入する手術法が大勢を占めてきたからです。眼内レンズができない人は術後、眼鏡やコンタクトレンズを装用いたします。 緑内障はまず眼圧降下剤を使います。有名なものとして、ダイアモックス内服、マニトール点滴注射、ピロカルピン点眼などです。 白内障の手術は急ぐことはありませんが、緑内障、眼底出血、網膜剥離の場合は緊急手術をせねばならない場合もありますから、医師の勧めがあれば、躊躇なく手術を受けるべきです。 眼底出血に対しては光凝固法により止血と浮腫の軽減を図ります。高血圧、糖尿病などの疾患が明らかになれば、その治療も必要になります。 網膜剥離が進むと失明の危険性が高く、手術的治療によらなければなりません。特に裂孔原性の場合は緊急手術を要します。もし健側の眼の網膜に裂孔を発見した場合は予防的に光凝固や凍結凝固が行われます。滲出性網膜剥離や牽引性網膜剥離の場合も、それぞれ原因を治療することになります。