日本耳鼻咽喉科学会香川県地方部会・香川県耳鼻咽喉科医会:香川みみ・はな・のど便利帳

老人性難聴について

総務省のデータによると、平成25年9月の時点で65歳以上の高齢者は3186万で、日本人の4人に1人が高齢者ということになります。この割合は今後も増加し続け、平成47年には3人に1人が高齢者になると予想されています。

さて、年をとると色々なことが身体に起こってきます。顔のシワが増え、目のピントが合わなくなります。耳の聞こえも少しずつ悪化していきます。老人性難聴は字のごとく、加齢が原因の難聴です。これは個人差が大きいので初老でも難聴が進行していることもありますし、逆に80歳を越えても難聴の自覚が乏しい人までいます。

初期はあまり難聴の自覚はないのですが、高音域(高い音)より聞こえが悪化していきます。家電製品の電子音などが聞こえづらくなります。例えば、いつの間にか電子レンジでの調理が終わっていたり、洗濯ものが洗い終わっていたりすることがあります。

難聴を自覚する前から耳鳴り症状が出現することがあります。耳鼻咽喉科を受診して、初めて老人性難聴を指摘されてこともあります。

他に、音は聞こえるが何を言っているかが分からなくなったり(聴き取りの低下)、ノック音や紙がこすれる音などに敏感になり不快(聴覚過敏)に感じるようにもなります。このように老人性難聴は単に聞こえづらいだけではないのです。

難聴を自覚したり、耳鳴りが出現してきたりした場合は、まずは耳鼻咽喉科を受診し、聴こえの検査を受けてください。

補聴器をつけることで会話の不便さは多少解消されますが、補聴器も完璧ではないので、よく相談されることをお勧めします。

また、周りの人たちにはお願いがあります。聞こえの悪い方に対しては、決して耳元で大声でしゃべらないでください。逆効果です。顔を見ながらしっかり口元を見せて、ゆっくりしゃべってあげてください。

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